心のまま発信基地

溜まったときに発進

成瀬は天下を取りに行く / 成瀬は信じた道を行く / 宮島未奈 / 感想

こんにちは。

 

pelicanです。

 

宮島未奈さんの「成瀬は天下を取りに行く」と「成瀬は信じた道を行く」の2冊を読んだので感想を書いてみたいと思います。

 

 

2024年の本屋大賞に成瀬は天下を取りに行くが選ばれ、本屋さんの店頭にも大々的に置かれています。内容は女子高生の日常のお話です。ある女子高生がただ過ごしていくほのぼのしたお話ですが、その女子高生があまりにも特徴的でどんどん読み進め、一気読みしてしましました。

 

主人公が題名にもなっている成瀬あかりです。この成瀬はとても賢く、自分の信念?考える軸を持っているのですが、他の人には無い考え方や、価値観を持っていて親も困惑させるほどの変わった女子高生です。そんな成瀬ですが、なぜかとても人を引き付ける魅力があります。この人を引き付ける魅力についてですが、やはり成瀬の中にある考え方や軸に引き付けられている感じがします。作中では成瀬は理解されずに孤立していることがほとんどですが、一度魅力に気づいた人達は一気に成瀬の魅力に魅了されてしまいます。読者の私も成瀬はどんなふうに考えるのか?こういう時にどういうふうに感じるのかがとても気になって気が付いたら魅了されたひとりになっていました。

 

現実の世界でも人を魅了する人は他の人達とは違う感覚や価値観や考え方を持っていて、さらにその持っている信念などがかなり強くて、私はこう考える!という感じがあるような気がします。また、その考えを基準に生きているんですが、それを人に強要したり、他の人と比較したりなんかは絶対にしないイメージです。自分の世界観で自分の価値観でまっすぐ生きている、そんなところにやっぱり人はなぜか魅了されてしまうんですね。

 

続編があるかは分かりませんが、また続編がでたら成瀬の価値観を通して、周りを見てみたいな~と思いました。

 

おわり。

 


  

 

 

滅びの前のシャングリラ / 凪良ゆう / 感想

こんにちは。

 

pelicanです。

 

凪良ゆうさんの「滅びの前のシャングリラ」を読んだので感想を書いてみます(ネタバレを含みます)。

 

概要

「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。 なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」
一ヶ月後、小惑星が地球に衝突する。滅亡を前に荒廃していく世界の中で「人生をうまく生きられなかった」四人が、最期の時までをどう過ごすのか――。

 

1ヶ月後に小惑星が地球に衝突するという、少しSF的な設定で主に4人の登場人物の心情と各々の最後の過ごした方がとても面白かったです。

 

結局、小惑星は衝突して人類は滅亡する?のですが、この小説ではリアルに街が荒れていく様子や、無法地帯になって事故、暴力、略奪、殺人が頻繁に発生している描写がでてきました。秩序が無くなると人間もやっぱりこうなるんだろうな〜と思いつつも、この小説で考えることは、死の意味(=生きる意味)だと感じました。

 

登場人物は家庭環境に問題ありのメンバーばかりで、いじめられっ子の息子(高校生)、その息子の同級生、悲惨な家庭環境で育った母、ヤクザに足を突っ込みそうな40歳のチンピラの父。中々な濃いメンバーですが、1ヶ月後の平等な死を目前に「もう死にたい」と日頃から思っていた人たちが実際に死を前に生きる意味を探して死んでいきます。

 

蚊が何の意味もなく叩き潰されるように人が死ぬ事に意味もなく(=生きる意味もなく意味も無く)死んでいくと解釈する人、信仰宗教の教えによってより良い世界に変わるために死んでいく(死の意味=生きる意味を神という存在を認めて意味付けをする)と考える人、こっちの世界が終わったらあの世に行くだけだけだと考える人、パニックになって自殺する人など死ぬ意味(意味が無いも含めて)を考えて自分を必死に納得させるところがとても面白かったです。人は社会性の動物で社会に属する事が生きる意味としての一面もあり、世の中が荒れていく中でもインフラの整備やネット環境の整備などに従事し続ける人もいて、その気持ちもよく分かるきがしました。

 

現実でも病気で亡くなる方が大半ですが、何故自分がこんな病気にかからないといけないのか、それによって死ななければいけないのか、、、私もそうなれば考えて何か自分を納得させる理由をこじつけて死んでいくのかな〜とも思います。

 

生まれた場所や時代、周りの環境によって大きく左右され、お金持ちだったり、貧乏だったり、家庭内暴力があったり、いろんな人が生きています。「もう死にたい」とか「全部無くなればいいのに」とか「明日、会社爆発しないかな」なんて嫌な事があったり大きな失敗をしたり、さらに絶望的な状況で考えながら生きている人たちがいます。でも、これは小さな枠の中で生きている、言い換えるといろんな制約に縛られているから陥る状況でもある気がします。お金持ちになりたいとか、優雅な暮らしをしたいとか、周りから良く思われたいとか。人類滅亡を前にするとこんなことどうでもよくなって、今まで縛られてきた枠が外れて、外れても自分の中に残っているものが本当に大切なものでこれが生きる意味に繋がっているんだと思いました。

 

おわり。

 

 

 

人は何のために生きるのか

こんにちは。

 

pelicanです。

 

ふと、「何のために人は生きるのか」気になったので私の考えを書いてみたいと思います。

 

人は生まれてから成長すると、自分たちの子を産んで、子が成長して、、、とずーーっと続いてきた訳ですが、何のために生きているのでしょう?こんな漠然とした問いなので明確な答えが無いことは何となく分かります。しかし、本当に目的が無いのか、今は分かっていないのか、どうなんでしょうか?

 

ネットで「人が生きる意味」と検索してみると"幸せになるため"だとか、"特に意味は無い"とか仏教では〜〜や、哲学では〜〜などが出てきます。どれも、これも胡散臭いのと哲学系はよく分からないのが多い状態です。

 

生まれるのは自分の意思では無いので、生まれる事自体はそこに存在していて、生きる過程は後付けで意味を見つけていく感じでしょうか。

 

今の時代は世界中(地球外でも)どこにでも行けるし、何でもできるというように生きる選択肢が膨大にあって生まれた場所や環境が違えど、自由に生きやすい世界になっています。そんな世界で共通の生きる意味はやっぱり無いのでしょうか?

 

私は何か目的があるとロマンがあっていいなーと思います。SFでは無いですが、宇宙の起源の解明やより高次元の解明が目的だと最高にロマンを感じます。生物学や物理学など、科学的に意味があったとしても、それは到底無理な話で、結局、人間の思考を通して考えなければいけないが、その思考がある限り到達不可能なんでしょうね。

 

もう一つ疑問なのが、なぜ「子供を産むのか」です。理由は子孫繁栄で自分の種を絶やさない為のようですが、なぜ種を絶やさない必要があるのでしょうか?人間に限ったことではありませんが、子孫繁栄させ、できるだけ長く種を絶やさないでいく理由があるでしょうか?

 

どこかで見た1つの考え方として、物理学的に考えると"エネルギーは安定した状態を好むから"というのを見たことがあります。プールに熱々の鉄球を投げ込んで1日経つとプールの水の温度と鉄球の温度は一緒になります。これは鉄球の熱(=エネルギー)がプールの水に分散して安定な状態(1箇所に高いエネルギーが集中しない)に落ち着きます。生物も1箇所に生息しているのではなく、どんどん広がって安定の状態に落ち着こうとしているのでは?という考え方です。各国でロケットを打ち上げまくっていますが、人間が地球という1箇所に集中していて、宇宙全体に分散したいくことが安定と考えれば、これも本能的に生物的に外に外に行きたいのが表れているかもしれませんね。

 

おわり。

得意料理とは?

こんにちは。

 

pelicanです。

 

ふと思った「得意料理」について書いてみたいと思います。

 

最近、一人暮らしを再開して、同時に自炊も再開しました。私は料理も特に苦ではないので、ほぼ毎日自炊しています。そこで、ふと、得意料理というワードが目について得意料理?って何だろうと気になりだしました。

 

料理はレシピ通りに作れば、大抵成功するものと考えています。料理が下手、上手は料理人でもない限り、レシピ通りに作れるかどうか、になると思っています。料理人(寿司職人やシェフのような)は自分でレシピを考えたり、そもそも包丁さばきや火加減の微調整、食材の厳選、組み合わせなど別世界なので置いておきます。

 

その上で、一般家庭での料理を作る人で、得意も不得意も何もないんじゃない?っていう気がしています。

現代はネット社会で情報がとても多いので料理1つとってもレシピはいっぱいあります。その中から、自分の口に合う(食べてもらった人の多くが口に合う)レシピを見つけることができた料理が得意料理でしょうか?それとも自分のアレンジを入れてより美味しく作れる料理が得意料理でしょうか?、、

 

ん〜何でも良いんですが、しっくりくる答えが無いかな〜?と考えています。自分の得意料理を聞かれた時に何を答えれば良いのか基準があれば良いな〜と思いました。

 

おわり

山下達郎 / LOVE SPACE / 歌詞の解釈

こんにちは。

 

pelicanです。

 

山下達郎」さんの歌の中でも好きな「LOVE SPACE」について書いていきたいと思います。

 

やっぱり音楽のことは全然分かりませんが、この曲は聴いていてとても爽快感のある音楽と歌詞がぴったりはまってます。

 

歌詞を見ていきます。

飛び散る 恋のつぶては

君にも すぐに 届くはず

 

「飛び散る 恋のつぶては」

改めて曲をまずは聞いてみてほしいですが、「とーーびちーーるーーー」ぐらい伸ばして歌ってます。流れるような歌い方とリズム感がとてもノリノリにさせてくれます。曲名にもあるようにLOVE=愛、space=宇宙です。それを踏まえて歌詞を見て行くと、、「飛び散る恋のつぶて」は正しく流れ星や火球のイメージが思い浮かびます。流れ星の正体は大気圏外から飛来した石などが大気圏に入ると地球の空気との摩擦熱で熱くなって砕け散っていく物です。これは暗ーい夜空で見れたらとっても綺麗に見えるんですね。

 

あと、私は小惑星イトカワ」を探査した小惑星探査機の「ハヤブサ」が地球に帰還した時に大気圏に入って夜空にバラバラに砕け散って煌々と輝いている姿を毎回思い出してしまいます。YouTubeにもアップされているので是非、一度見てみてください。この歌詞にピッタリの飛び散り具合です笑。

 

脱線しましたが、歌詞では飛び散っているのは恋のつぶてです。恋をすると視野が狭くなって猪突猛進!的な感じに陥りますが、流れ星も一緒で、砕け散りながらも一直線に進んでいきます。視野が狭くなってぼろぼろに飛び散っている部分もあるけど、あなたを想う気持ちは力強くて一直線なことを表しているのでしょう。

 

「君にも すぐに 届くはず」

これは私の想いが強くてあなたに一直線だからすぐに届くよ!っていうことだと思います。

 

 

尾を引いて 走り去ろう

この街 夜空と一つになるまで

 

「尾を引いて 走り去ろう」

ばっちりです!!夜の暗い暗い空に流れ星が尾を引いてどんどん進んでいく光景がイメージできます。走り去ろうっていう事は一緒に行こう!っていう事で、どこか地球外の遠いとこまで2人で行っちゃおー!ぐらいの勢いと想いが込められているんでしょう。若い2人が夜、どっか行こっか?と言ってあてもなく出て行くような雰囲気です。

 

「この街 夜空と一つになるまで」

自分の視点は完全に流れ星です。夜空と街が一緒に見えるのは宇宙から見ないとそうは見えません。国際宇宙ステーションからの写真で夜の日本の夜景の画像なんかがありますが、あれこそが、街と夜空が一つになって見えた光景ですね。地球の外まで2人で行こう!っていう勢いです!音楽も相まってとっても爽快な感じです。

 

 

変わらぬ 星の瞬き

すべての 愛を飾ろう

 

「変わらぬ星の瞬き」

これは星の輝きを相手に対する想いの情熱として表していると思っています。ずーっと相手のことを思っているよ!何千年も何万年も輝く星のように、、ということでしょう。“輝き“を“瞬き“としたのは星の光ってよーく見るとチカチカ光って見えるんですよね、それで輝きではなく、“瞬き“にしたんだと思います。

 

「すべての愛を飾ろう」

あなたを想う気持ち、愛を全部飾るのですが、恋のつぶてのようにキラキラしていてとても綺麗な物だから、2人で見えるとこに全部置いておこう!ってことです。自分の想いをすべて伝えてるよ!ってことでしょうか。

 

つかんだら 離れないよ

僕らは 宇宙へ翔けてゆこう

 

「つかんだら 離れないよ」

ちょっとここは謎です。つかむのは自分でしょうか、あなたでしょうか。君を掴んだらもう離さないよ!っていうことだと思いますが、何か宇宙関係の事に比喩しているのか、、、

 

「僕らは宇宙へ翔けてゆこう」

2人で宇宙に翔んでゆこうという自分の意思の表れですね。宇宙を翔けるって、無重力空間を2人で自由にどこへでも!というイメージと誰もいない2人だけの空間っていうイメージからあなたしか見えていないことが伝わってきます。

 

 

尾を引いて 走り去ろう

僕らは 宇宙へ翔けてゆける

 

最後に2人で一緒になって愛を輝かせながらどこか2人の世界(=love space)に翔けていくのでしょう。最後の最後に“ゆこう”が“ゆける”にかわってますね。

“ゆこう“なら少し自分だけの意思のイメージがありますが、“ゆける“なら2人で!っていうイメージが強くなって2人で翔けていく光景が想い浮かびます。

 

 

この曲はあなたを想う強くて一途な気持ちを爽やかに歌っているとてもいい曲だと思って聞いています。

 

おわり。

 

 

くるり / 春風 / 歌詞の意味について

こんにちは。

 

pelicanです。

くるり」の中でも特に好きな「春風」という曲の歌詞について自分の解釈を書いてみたいと思います。

 

この曲は「はっぴいえんど」の「風をあつめて」に似ている(オマージュ?サンプリング?)と言われていますが、音楽の知識は全く無いので歌詞のみに注目していきます。

 

 

まずは最初の歌詞から、、、

揺るがない幸せが、ただ欲しいのです

僕はあなたにそっと言います

言葉をひとつひとつ探して

花の名前をひとつ覚えてあなたに教えるんです

 

ここからは少しづつ言葉の意味や背景について見ていきたいと思います。

「揺るがない幸せがただほしいのです」

最初にこの歌詞を持ってくることでこの歌の立ち位置が決まるような気がします。

揺るがない幸せ、これまでに幸せをつかんでは離してを繰り返してそれに疲れている、もしくは悩んでいるような、そしてもう繰り返したくない気持ちも伝わってきます。

ただそれだけが欲しい状態がこの歌の立ち位置です。

 

「僕はあなたにそっと言います」

僕とわたし、二人がでてきました。そっと何かを言えるということはただの友達の関係ではなく、恋人の関係のような気がします。

 

「言葉をひとつひとつ探して 花の名前をひとつ覚えてあなたに教えるんです」

言葉をひとつひとつ探して、あなたに贈ることばを丁寧に慎重に探しているイメージですね。あなたのことを思っている反面、今度こそは失いたくないから慎重に慎重に、、な感じがします。花の名前を教える、、これはどこかで聞いたことあるような、、そうです!川端康成の小説に書かれている有名な一節です。

 

別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます”

『掌の小説』/川端康成

 

付き合っていた2人が別れる前に彼女が彼氏に花の名前を教えることによって、毎年その花が咲いた時期には私を思い出してね!という想いを込めて伝える粋な別れ際のやりとりです。別れるときにこんなに切なくて美しい別れ方があるのか!?と思いますが、、、

春風ではなぜあなたに花の名前を教えてあげるのでしょう?僕が繰り返してきた幸せの波は恋人ができるのと別れるの繰り返し。

そして、やっぱりどこかでまた繰り返してしまう(=今の恋人と別れる)気がしているんですね。花の名前を覚えるという事は元々、花には興味がないけど、別れた後も自分の事を覚えていて欲しいから覚えて教えてあげるのでしょう。後々出て来ますが、元恋人に未練があって、もしかしたら戻って来てくれるかも?の願望もこもっているかもしれません。

 

 

次の歌詞にいってみましょう。

気づいたら雨が降ってどこかへ行って消えてゆき

手を握り確かめ合ったら

眠ってる間くちづけして

少しだけ灯を灯すんです

 

「気が付いたら雨が降ってどこかへ行ってきえてゆき」

ここからは私も、ん~こうかな?という感じでかなり自分の見方が入ってきますが、”雨”は私の中で悲しいイメージを連想させます。雨が降ってどこかへ行って消えていく、、誰がどこに?を考えていると、おそらく過去に付き合っていた恋人じゃないかと思います。別れた元恋人の事をふと思い出して悲しくなって、そしてどこかへ行って消えていく。物理的な距離も精神的な心の距離も遠ざかって消えていくような感じですね。悲しくなるときってたいてい、寝る前に部屋を暗くして布団に入った時間です。悲しくなって横を見ると、そこには今の恋人が寝ている、、

 

「手を握り確かめ合ったら眠ってる間くちづけして」

確かめ合う、眠ってる間から多分付き合いたてのふたりなんだと思います。さらに前の恋人とは別れてからそんなに時間も経っていないような。

 

「少しだけ灯を灯すんです」

ここがとっても肝心な歌詞だと思ってます。この”灯”の解釈ですが、これは別れた恋人への未練から来る恋人への思いなんです。まだ付き合いたての二人よりもこれまでに一緒にいた元恋人との関係性のほうが深く思いも深くやっぱり思い出してしまうんですね。少しだけ、少しだけ、眠っている間だけ、、灯を灯すんです。

 

 

シロツメ草で編んだネックレスを

解けないように 解けないように

溶けてなくなった氷のように花の名前をひとつ忘れて

あなたを抱くのです

 

 

「シロツメ草で編んだネックレスを 解けないように 解けないように」

シロツメ草で編んだネックレスはよく小学生の女の子とかが作っているあれです。

シロツメ草で編んだネックレスの特徴はいっぱいシロツメ草がいるということです。これはこれまでの歌詞から何を表しているか、過去の元恋人たちのことでしょう。そんなにいっぱい!?付き合って別れたの!?となりますが、これは比喩ということで数は関係ないことにしましょう。ここで大切なのは解けないようにということです。これまで付き合って別れた恋人たちの思い出や思いも一緒に今を生きているということです。誰も忘れないように、別れてから気づく良かったことや好きだった気持ちなんかも一緒に解けないように、解けないように。

 

「溶けてなくなった氷のように花の名前をひとつ忘れてあなたを抱くのです」

溶けてなくなった氷、氷が溶けるとどうなるかは明らかで水になります。氷は今付き合っている恋人への思いや気持ちまたは二人の関係性でしょうか、、それが溶けてもそれを作っていた水は変わらずにそこにあります。理科授業の時に習った状態変化ってやつですね。状態が変わっても元々の物質は変わらない。それは恋人を思う気持ちも一緒で恋人から元恋人に状態が変化しても好きだった気持ちなんかは実は変わらない。そして、花の名前をひとつ忘れるんです。川端康成は教えた相手が毎年思い出すように花の名前を別れ際に伝えますが、これは自分もその花を覚えていて、毎年思い出してしまうんです。これじゃあ自分も未練が残るばかり、、だから忘れんです頑張って。その頑張り、忘れるためには上書き保存が必要です。強引ですが、それであなたを抱くのかな?

 

前のシロツメ草に少し戻りますが、シロツメ草は全部シロツメ草です。過去に付き合っていた恋人には一人づつに花の名前を教えているのに、、、たぶん頑張って忘れた後の色んな花が全部同じシロツメ草になってそれを解けないように編んでいるんでしょうか。

 

 

遠く汽車の窓辺からは春風も見えるでしょう

ここで涙が出ないのも幸せのひとつなんです

ほらまた雨が降りそうです

 

「遠く汽車の窓辺からは春風も見えるでしょう」

ついに”春風”が出てきました。遠く汽車の窓辺は元恋人が汽車に乗って窓辺から外を眺めているの光景がイメージできます。春風も見えるでしょう。”春”は何か新しく始まる季節、花草が芽吹く頃のイメージです。まさしく元恋人も新しく好きな人ができたり、もしかしたらもう付き合っていたり?なんて考えているんでしょう。

これまでの歌詞から、”花=新しい恋人”ですからね。

 

「ここで涙が出ないのも幸せのひとつなんです」

元恋人の事を思っていますが、私には既に新しい恋人がいます。なので、涙は出ないんです。新しい恋人と一緒にいることこれも幸せのひとつなんです。

 

「ほらまた雨が降りそうです」

でもやっぱり、元恋人のことが忘れられない、まだまだ未練がある、、ほらまた思い出して悲しくて苦しくなりそうな気持が伝わってきます。

ここまでの歌詞から元恋人とは別れ、新しい恋人ができたような背景が想像できますが、ここまで未練があるということは喧嘩別れなどではなく、遠距離になってしっまたことや引っ越しや転勤?などやむを得ない状況になり二人で話し合って別れたほうが良いよね、ってな感じで別れたんじゃないかと思います。だからここまで未練が残っているような。遠く汽車の窓辺の”遠く”からも近くにいて別れた状況ではないことが分かります。

 

 

最後の歌詞にいってみましょう。

帰り道バスはなぜか動かなくなってしまいました

傘をさがしてあなたを探して

遠く汽車の窓辺からは春風も見えるでしょう

 

「帰り道バスはなぜか動かなくなってしまいました」

どこかへ行った帰りなのでしょうか。バスに乗っているみたいです。元恋人は汽車で自分はバスです。違いはスピードが一番に思いつきます。汽車は速くてどこかへどんどん進んで行ってしまっているのに対して、自分はバスです。ゆっくり少しづつ進んでいきます。このスピードは元恋人と自分の2人の気持ちや関係から離れるスピードの事なんだと思います。元恋人はどんどん離れていく気がしていて、自分は未練があるからなかなか離れられない。そして動かなくなっちゃいます。一回止まって元恋人の事を考えてしまうんですね。

 

「傘をさがしてあなたを探して」

雨=元恋人への思いによる悲しい気持ちの事です。傘は雨を凌ぐものです。傘はあなたなんです。今の恋人のあなたが悲しい気持ちをしのぐ傘です。傘を探して、あなたを探して、、

 

「遠く汽車の窓辺からは春風も見えるでしょう」

最後にもう一度、あなたの事を思って終わりです。

 

 

 

くるりの「春風」は元恋人に対する未練が残っているけど今は新しい幸せに向かって進んでいる人の心の状態、気持ちを表しているんだと思っています。

特に大学進学や就職では遠くに行くことも珍しくありません。その時に付き合っていた恋人とは別れることになる人もいっぱいいるはずです。そんな切ない気持ちを歌詞に載せたとてもいい曲と思っていつも聞いています。

 

P.S.

一度書き出したら長ーくなってしまいました。でも自分の解釈を書いてみるとより、整理できたり新しく気づけたり良いこともあるんですね。

 

 

おわり。